一人暮らし・家族世帯ですぐに始められる節約術|初心者向けの家計改善方法

節約術によって限られた収入を効果的に管理することで、生活の質を維持しつつ貯蓄に繋げていくことができます。とは言っても、何から手を付けるべきかわからない方もいるでしょう。そんな方々に向けて、本記事では初心者であってもわかりやすいよう、3つのステップに要点を絞って解説していきます。

目次

節約術を駆使した方が良い理由

資産形成において、「収入を増やす」ことよりも「支出を減らす」ことの方が早期に効果を期待できますが、その上で節約術は非常に重要な要素となります。金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書では、「老後30年間で約2,000万円が不足する」と示されており(老後2,000万円問題)、将来への備えがますます必要とされるなかで、節約の重要性がより高まっています。

次の章からは、初心者向けの節約術をステップごとに見てみましょう。

初心者向けの節約術ステップ1:家計簿をつける

過去データを収集する

過去3ヶ月間〜6ヶ月間を目安に銀行の取引明細やクレジットカードの明細、銀行の取引履歴も参考にし、網羅的にすべての支出をリストアップしましょう。

 アプリを活用する

家計簿アプリは、従来の手書き家計簿と比べて使いやすく、多機能な管理ツールとして日々改良されています。多くのアプリではスマートフォンのカメラでレシートを撮影するだけで、金額や店舗名・購入日時が自動的に入力されるため、入力時間を削減できます。

ご参考:家計簿アプリで家計管理をより効率的に!メリットと選び方のポイント

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毎日記録する

家計簿は「支出が発生した日に記録する」ことが重要です。時間が経過すると、レシートを紛失する、支出の詳細を忘れることにもつながってしまいます。また、日々の記録習慣は正確な金額を把握するのみではなく、自身の支出パターンを把握する効果も期待できます。

定期的に見直す

見直しを行うタイミングは2つあります。1つ目は「週単位の見直し」です。「大きな支出がなかったか」「予算内に収まっているか」をチェックします。

2つ目は「月単位の見直し」です。前月との比較を行って、支出が増加している箇所を探し、その理由を分析します。理由をもとに改善方法を考えることで、翌月以降の節約に活かすことができます。

初心者向けの節約術ステップ2:現状の支出分析をする

支出の全体像を分類する

支出を確認する際には、以下のカテゴリに分類することが有効です。なお、固定費は削減が難しい場合が多いため、まずは変動費を見直すのが効果的です。

・固定費:家賃やローン、光熱費、保険料など、毎月決まった金額が発生する費用。
・変動費:食費、交際費、趣味やレジャー費など、月によって金額が変わる費用。
・特別支出:年間の中で不定期に発生する出費(旅行費用や大きな買い物など)。

支出の優先順位付けをする

それぞれの支出について「必要性」と「満足度」の観点で優先順位付けをしましょう。どの支出を削減するべきかが明確になり、効果的な節約プランを立てることができます。


・満足度が高い支出:生活を豊かにするために重要な出費です。趣味や家族とのレジャーなど、自分にとって価値があると感じるものが該当します。一方で、毎月のサブスクリプションサービスが実際にはあまり使われていない場合、それは見直しの余地があります。

・必要不可欠な支出:生活に欠かせない出費です。家賃、食費の一部、交通費などがこれに該当します。例えば、家賃や水道光熱費は削減が難しい一方、外食費やエンタメ費は見直しができる場合が多いです。

ご参考:支出分析アウトプットの記載例

初心者向けの節約術ステップ3:節約を実行する

ステップ1とステップ2をふまえて、具体的なアクションに取り組んでみましょう。下記では特に節約インパクトが大きい「食費」「水道ガス光熱費」「買い物」の3つからそれぞれ具体的な節約術を記載しております。

カテゴリー節約術詳細
食費まとめ買いをするセール時に食材をまとめ買いして週1回の買い物に抑え、衝動買いを防ぎます。
計画的な献立を立てる一週間のメニューを事前に決め、必要な食材のみを購入して無駄を減らします。
冷蔵庫の在庫を活用する冷蔵庫内の食材を期限切れになる前に使い切る工夫をして食品ロスを防ぎます。
自炊を増やす外食やテイクアウトを控え、自宅で食事を作ることで食費を大幅に削減します。
お弁当を作る昼食を外食せずに手作りのお弁当を持参し、毎月の食費を削減します。
安いスーパーを活用する近所のスーパーを比較し、最も安い店舗で必要な食材を購入するようにします。
旬の食材を使う季節ごとの旬の食材は価格が安く栄養価も高いので、節約しながら健康を維持できます。
買い物前に軽食を摂る空腹状態で買い物に行くと衝動買いが増えるため、軽く食べてから買い物するようにします。
冷凍保存を活用する買いすぎた食材は冷凍保存し、腐らせずに使い切ることで無駄を減らします。
まとめて調理する一度に大量に料理を作って小分けにし、冷凍保存することで時短と節約ができます。
水道ガス光熱費シャワー時間を短くするシャワーの時間を1日1分短縮するだけで、年間の水道代が大幅に節約できます。
節水シャワーヘッドを使用する節水機能のついたシャワーヘッドを使用して、水の使用量を減らします。
待機電力を減らす使っていない家電のコンセントを抜き、待機電力をカットして電気代を節約します。
エアコンの設定温度を調整する冷房は28度、暖房は20度を目安に設定し、無駄な電力消費を抑えます。
LED電球を使う長寿命で省エネ効果の高いLED電球に変えることで、電気代を削減します。
まとめ洗いをする洗濯は週に数回にまとめて行い、洗濯機の回数を減らして節水・節電を実現します。
保温ポットを活用する魔法瓶や保温ポットを使用してお湯を保温し、電気ケトルの使用頻度を減らします。
お風呂の残り湯を再利用するお風呂の残り湯を洗濯に使うことで、水道代の節約が可能です。
窓に断熱シートを貼る窓に断熱シートを貼ることで暖房効率を上げ、暖房費を削減できます。
炊飯はまとめて行う一度に多く炊いて小分けに冷凍保存し、炊飯回数を減らして電気代を節約します。
買い物買い物リストを作る必要なものをリスト化し、それ以外は買わないことで無駄な出費を防ぎます。
価格比較をする同じ商品でも価格が異なる場合があるので、複数の店で価格を比較して最安値で購入します。
会員割引を活用する会員特典や割引を利用して、少しでも安く買い物をします。
キャッシュレス決済を利用するポイント還元キャンペーンを利用して、お得に買い物をします。
セール品を狙うセールや特売日を狙って買い物をし、必要なものを安く購入します。ただし、不要なものには注意。
まとめ買い割引を利用する消耗品などはまとめ買いで割引を受けることで、コストを抑えることができます。
エコバッグを持参するレジ袋を買わずにエコバッグを使うことで、少額の節約を積み重ねます。
ポイントカードを使う貯まったポイントを次回の買い物に使い、支出を抑えます。
現金払いを意識するクレジットカードを控えて現金払いにすることで、支出を抑えやすくなります。
クーポンサイトをチェックする買い物前にクーポンサイトをチェックして、割引クーポンを利用します。

心理学をフル活用して、節約パフォーマンスを最大化しよう

節約術を長期的かつ負担なく継続するためには関連する心理学を押さえておくことも有効です。以下、10個の節約に関する心理学を整理してみました。

心理学的要素説明節約への応用
損失回避バイアス人は利益よりも損失を避けることに強く反応する。無駄遣いを避けるために、「損をする」と感じるようなフレームを設定して自身節約を促進する。「この商品を買うことで、割引が無駄になってしまう」という考えで無駄遣いを避ける。
時間価値の錯覚節約のためにかかる時間を無駄だと感じてしまう。節約のための時間を合理的に見積もり、心理的負担を減らして実行しやすくする。「安い価格を見つけるために10分かける」ことを中長期的には合理的な努力として捉え、無駄に感じないようにする。
フレーミング効果情報の提示方法によって意思決定が変わる。節約のメリットを具体的かつ魅力的に提示することで、節約意識を高める。「50%オフ」よりも「5,000円引き」の方が、よりお得だと感じて無駄な買い物を避ける。
即時報酬の誘惑短期的な報酬を長期的な利益よりも重視する。節約目標を小さな短期的な報酬に分けて達成感を得やすくする。「今月5,000円節約できたら、自分にご褒美として好きな本を買う」といった具体的な報酬を設定する。
アンカリング効果初期の数字や価格がその後の意思決定に影響を与える。価格のアンカーを設定し、予算を超えないように注意を促す。高額な商品を見た後、他の商品が相対的に安く見えるため、最初に高いものを見ないようにする。
社会的証明他人の行動を参考にして意思決定を行う。節約を実践している人々の行動を見て、自分も実践するよう促す。SNSで「今月〇〇円節約した!」と報告する人たちを見て、自分も節約しようと思う。
自己制御力の限界自己制御力に限界があり、長期間の節約が難しい。小さな節約目標を設定し、達成感を得ながら徐々に節約を習慣化する。「毎週500円節約しよう」と、小さな目標を設定して達成感を感じながら続ける。
過去の支出の正当化既に支出したお金を無駄だと認めたくない心理。過去の支出を無駄だと認識し、次回の消費行動に活かすことで無駄遣いを減らす。「高いランチをもう買ってしまったけど、次回は安い店にしよう」と反省し、次回の支出に活かす。
認知的不協和自分の行動と信念が矛盾していると不快感を覚える。節約目標を守ることで、自己評価を高め、一貫した行動を取る。「節約を始めたのに無駄遣いをした」と自己矛盾を感じ、次回からの節約意識を強化する。
マインドセットの変化「お金を使うこと=楽しみ」から「節約=未来の自由」という認識へのシフト。節約を義務ではなく未来への投資と考え、意識的に節約を実行。「今、少し我慢することで、将来は自由に使えるお金が増える」という視点で節約する。

 まとめ

今回紹介した節約術は家計の無駄を減らし、貯蓄を増やす手助けとなります。節約と聞くと、我慢や制限を連想する方も多いかもしれませんが、実際には生活の質を維持しながら賢くお金を使うことが大切です。食費、水道ガス光熱費、買い物の工夫を積極的に取り入れ、自分に合った節約術を続けて将来の資産形成に繋げていきましょう。

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この記事の著者

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