テクニカル分析とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.3

テクニカル分析とはなに?成長株投資徹底解説シリーズ

投資を始めたばかりの初心者の方は「テクニカル分析とはどんな分析なんだろう?」と疑問に思いますよね。そして、テクニカル分析のやり方を知りたい方も多いようです。

そこで今回は、大口投資家に買い集められている株を見極め、株を買うタイミングを計るために必要となる知識のテクニカル分析について解説します。本記事を一読すれば、株を買う適切なタイミングを見極められるようになるのはもちろん、質が悪い株を見定められるようになるでしょう。

ちなみに、この記事は『成長株投資徹底解説シリーズ』の最終章です。成長株投資のやり方として、以下の4STEPを踏むと購入から売却まで完結できることを『成長株投資とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.1』で紹介しました。

  • STEP1.ファンダメンタル分析で将来性のある株を選ぶ
  • STEP2.テクニカル分析で大口投資家に買い集められている株を見極める
  • STEP3.適切なタイミングで株を購入する
  • STEP4.株を売却する

今回の記事は、STEP2とSTEP3を深掘りした記事となっています。まだ『成長株投資とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.1』の記事をまだ読んでいない方は、そちらの記事もぜひ読んでみてください。

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目次

テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、過去の値動きを記録したチャートを使って、将来の株価の行方を予想するための分析です。

株価チャートを利用した分析
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

成長株投資では、企業分析に時間と労力をかけている大口投資家たちがどんな株を買い集めているのかを観察するためにテクニカル分析を行います。大口投資家が株を買い集めている兆しは、チャートにチャートパターンとして反映されます。
チャートパターンとは、大口投資家が買い集めているときに発生する特定のチャートの形です。たとえば、取っ手付きカップ(カップウィズハンドル)などが有名です。

テクニカル分析_チャートパターン

このようなチャートパターンを観察できるようになるためには、テクニカル分析ツールについての知見が必要です。次の章で、前提知識としてテクニカル分析をおこなう前に最低限知っておきたい基礎知識から紹介します。

なお、テクニカル分析と対になっているファンダメンタル分析という分析方法もあります。ファンダメンタル分析とは、企業の業績や属している業界などの情報をもとに、将来の株価を推測する方法です。成長株投資では、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせて資産形成を計ります。ファンダメンタル分析については、下の記事で詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。

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テクニカル分析をする前に最低限知っておきたい基礎知識

これからテクニカル分析のやり方について詳しく解説していきますが、その前に知っておきたい前提知識があります。ここではまず「株価は需要と供給で動いている」ことについてと、「支持線、抵抗線」について紹介します。

株価は需要と供給で動いている

テクニカル分析について勉強する前に、需要と供給の法則について解説します。株価は、需要と供給の法則によって変動します。需要と供給の法則とは、どちらか一方の圧力が大きくなったときに需要と供給のバランスを取るため価格が上下する法則です。

テクニカル分析_需要と供給

株価は、このイラストのように需要と供給によって決まります。

よく勘違いされることとして、株価はニュースや材料によって動かされているように思われています。ですが、どんなニュースが流れようと需要や供給が発生しない限り株価は変動しません。そのため、ニュースに惑わされるのではなく、実際に需要と供給がどのような状態なのかをテクニカル分析で観察できるようになる必要があります。

支持線、抵抗線とは

テクニカル分析を勉強する前に知っておきたい知識として、支持線と抵抗線について解説します。テクニカル分析では、単にチャートをみるのではなく需給状態を想像しながら見ることがとても重要です。

支持線とは売り圧力より買い圧力が強い価格水準のことで、抵抗線とは買い圧力より、売り圧力が強い価格水準を指します。

テクニカル分析_支持線抵抗線

イラストをご覧下さい。支持線のところでは、売り圧力よりも買い圧力が強くなったのでトレンドが反転していることがわかります。一方抵抗線のところでは、買い圧力より売り圧力の方が強くなったためトレンドが反転しています。

このように、チャートを需給状況で捉えられるようになることがテクニカル分析をする上で重要です。ちなみに、支持線は一度超えられると抵抗線となり、抵抗線は支持線となるという特性があるので覚えておきましょう。

成長株投資で使うテクニカル分析ツールを3つ紹介

ここでは、チャートパターンを判別するためのテクニカル分析ツールについて解説します。
今回紹介するテクニカル分析ツールは以下の3つです。

  • ローソク足
  • 移動平均線
  • 出来高

これら3つのツールは、すべて汎用性が高い基本となるツールですのでここで押さえておきましょう。

1.ローソク足

ローソク足とは、値動きを記録する棒状の絵図です。1本のローソク足では「始値」「終値」「安値」「高値」がわかります。

テクニカル分析_ローソク足

画像のとおりローソク足には、陽線と陰線の2種類あります。陽線は終値が始値よりも高いもので、陰線は終値が始値よりも低いものです。

ローソク足では、そのときの投資家心理を読み取ることが可能です。たとえば、始値から終値まで上げ続けた大陽線からは、投資家の購買意欲が高かったことがわかります。

テクニカル分析_大陽線
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

成長株投資では、ローソク足を集合で見てチャートパターンを認識するために使います。ローソク足の基本をしっかりと押さえておきたい方は、こちらの記事も併せてチェックしてみてください。

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2.移動平均線

移動平均線とは、過去N日間の終値を平均して繋いだ線です。5日移動平均線だと、以下の画像のようになります。

テクニカル分析_移動平均線

移動平均線は、一目見ただけでその株のトレンドを読み取ることができる優れたツールです。たとえば上向きだと上昇トレンドで買い圧力が強く、下向きだと下降トレンドで売り圧力が強いとわかります。

テクニカル分析_移動平均線向き
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

成長株投資は、トレンドに沿った売買をすることが基本です。上昇トレンドでは買いから入る、といった取引です。そのため株を買うときは、まず上昇トレンドにあるのかを移動平均線の向きをみて判断します。

3.出来高

出来高とは、実際に取引が成立した株数のことです。

テクニカル分析_出来高
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

このように、チャートの下に記録されているのが出来高です。

この出来高を確認すると、大口投資家の動向が見て取れます。出来高が多いと大口投資家が取引していて、逆に少ないと大口投資家は相場に参加していないことがわかります。

テクニカル分析_大口投資家の動向
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

大口投資家は、様々な方法で個人投資家の目を欺いてきますが、出来高だけは動かぬ証拠として残るので誤魔化すことができません。そのため、出来高は大口投資家の動向をみるためにも絶対押さえておきたいツールです。

成長株をリスクが最も低いタイミングで買う方法を解説

ここまで、テクニカル分析でチャートパターンを判別するために必要なツールについて解説しました。ここからは、大口投資家が株を買い集めていることを見極めて最適なタイミングで買う方法について解説します。

成長株投資のやり方を一言でいうと「業績の良い企業の株に対して大口投資家が買い集めていることを見極めて適切なタイミングで購入する」です。大口投資家の動向については、これから解説する5種類のチャートパターンを参考にして見極めていきましょう。チャートパターンによる判別法をマスターすれば、その兆しを掴むことができるようになります。そして、リスクに対するリターンが大きい、つまり、期待値が高まった価格帯まで株価が上昇したときこそ、適切な購入タイミングとなるのです。では、それぞれ解説します。

ピボットポイントとは

ピボットポイントとは、比較的安全に株を取引できるリスクの低いポイントです。下の画像の★がピボットポイントです。

テクニカル分析_ピボットポイント出来高
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

ピボットポイントは、最小抵抗線とも呼ばれています。言葉通り、売り圧力が最も小さいポイントなので株価が上がりやすいことから、リスクを伴う投資において成功する確率が一番高いです。そのため成長株に投資する際は、株価がピボットポイントを超えたタイミングで取引するのが基本です。ちなみに、ピボットポイントを超えたタイミングで出来高が多い場合、より一層成功確率が高くなります。

これから紹介する5つのチャートパターンに でも、ピボットポイントに★印をつけているので注目してみてください。
これから紹介する5つのチャートパターンにも、ピボットポイントに★印をつけているので注目してみてください。

5つのチャートパターンを解説

ここでは、5つのチャートパターンを紹介します。ここで紹介するチャートパターンが出現したら、大口投資家が株を多く保有している可能性が高いです。STEP1で選別した高品質な株に、ここで紹介するチャートパターンが現れたらピボットポイントを超えたタイミングで購入しましょう。

1.取っ手付きカップ(カップウィズハンドル)

テクニカル分析_取っ手付きカップ
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

取っ手付きカップとは、ティーカップに似ていることから名付けられたチャートパターンです。よく出現し、成功率が高いチャートパターンです。ピボットポイントは、取っ手の高値の価格となります。

2.取っ手なしカップ

取っ手なしカップとは、取っ手付きカップの取っ手がない形のチャートパターンです。ピボットポイントは、カップの高値になります。よく出現しますが、取っ手付きカップに比べると成功率は下がります。

テクニカル分析_取っ手なしカップ
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

3.取っ手付きソーサー型

テクニカル分析_取っ手付きソーサー
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

取っ手付きソーサー型は、取っ手付きカップの深さが浅く幅が広いことが特徴です。ソーサーという名前は、カップの受け皿が所以となっています。ピボットポイントは、取っ手の高値です。

4.ダブルボトム

テクニカル分析_ダブルボトム
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

ダブルボトムとは、アルファベットの「W」の形に似たチャートパターンです。「W」の2つ目の底が1つ目の底よりも低くなっていると成功率が高いといえます。ピボットポイントは「W」の真ん中の高値です。

5.上昇後フラッグ型

テクニカル分析_上昇後フラッグ型
引用元:株探(一部当メディアにて加工)

上昇後フラッグ型とは、旗の形をしたチャートパターンです。ピボットポイントは、旗がついている棒の頂点の価格です。上昇後フラッグは、パターン形成までの期間が3〜5週程度と短いことが特徴となっています。

成長株投資のやり方のおさらい

『成長株投資とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.1』では成長株投資のやり方を、4つのSTEPで解説する方法を紹介しました。

  • STEP1.ファンダメンタル分析で将来性のある株を選ぶ
  • STEP2.テクニカル分析で大口投資家に買い集められている株を見極める
  • STEP3.適切なタイミングで株を購入する
  • STEP4.株を売却する

そして本記事ではSTEP2、3について解説をしましたが、改めてまとめたいと思います。

STEP1で将来性がある高品質な株を選び、STEP2として成長株投資に適したチャートパターンが形成されているのかテクニカル分析で確認します。チャートパターンを確認する際は、「5つのチャートパターンを解説」の章の図と見比べながら判別してみてください。少し形が崩れたチャートパターンでも上昇していく株もあるので、経験を積みながら判別できるようになりましょう。

チャートパターンを判別できたら、次はSTEP3としてピボットポイントまで株価が上昇した株を購入します。チャートパターンごとに、ピボットポイントが異なるため「5つのチャートパターンを解説」で紹介した図を参考に、ピボットポイントを見極めて株を買ってみましょう。

チャートパターンで成長株を買うときの3つの注意点

ここまで、チャートパターンを見極めて株を買う方法を解説しました。ここではチャートパターンで株を購入するときに気を付けておきたいことについて3つ紹介します。注意しておきたいことは、以下のとおりです。

  • ピボットポイントを超えてから購入する
  • ピボットポイントから上がりすぎてから購入しない
  • 株価が上がらなかったら必ず損切りをする

では、それぞれみていきましょう。

1.ピボットポイントを超えてから購入する

チャートパターンで株を買うときに気を付けるポイントとして、必ずピボットポイントを超えてから株を買うようにしましょう。ピボットポイントを超える前に早まって株を買っても、そのままピボットポイントに到達することなく頓挫してしまう株も多いです。

テクニカル分析_株価頓挫

「安く買えそうだから」と早めに買っても、ピポットポイント以外での取引はリスクとリターンが見合っていないため注意が必要です。『ピボットポイントを超えて買う』というルールを、事前に決めておくといいでしょう。

2.ピボットポイントから上がりすぎてから購入しない

成長株を買うときの注意点として、ピボットポイントから上がりすぎてからは買わないようにしましょう。成長株は、ピボットポイントを超えて大きく成長する過程で再度ピボットポイント付近まで下落する場合が多いという特徴があります。

テクニカル分析_ピボットポイント下落

ピボットポイントから上がり過ぎて株を買うと含み損を抱えるリスクが大きいため、上がりすぎてから購入しないようにしましょう。

もし「ピボットポイントから上がりすぎてしまった場合はどうしたらいいの?」と疑問がでてくると思います。その場合は、見送っても大丈夫です。また、チャンスはきますので余裕をもった取引を心掛けることが重要です。

3.株価が上がらなかったら必ず損切りをする

チャートパターンを利用して成長株を買うとき、株価が上がらなかったら必ず損切りをするようにしましょう。いくら大口投資家に買い集められていたとしても、そのあとに需要が続かなければ株価が上がることはありません。そうなると株価は下がる一方なので、損切りするのが得策です。

「どのくらい下げたら損切りすればいいの?」と疑問がでてくると思いますが、おすすめは買値から-8%です。「支持線、抵抗線とは」の節でも解説しましたが、抵抗線は株価を超えると支持線として機能します。買い圧力が強い価格帯である支持線を、8%も下抜けるということはその株自体に異常がおきている可能性が高いです。そのため買値から8%下抜けたら、間違いを認めて損切りするようにしましょう。

まとめ

今回はテクニカル分析について解説しました。テクニカル分析はチャートを使って今後株価が上昇するのか、予測する分析です。テクニカル分析を駆使することにより、大口投資家に買い集められていることを見極めたり、株価を適切なタイミングで購入したりすることにも役立ちます。

また、この記事は成長株投資徹底解説シリーズの最終章となります。『成長株投資とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.1』では、適切な成長株を買うまでの段階として4つのSTEPを提示していました。この記事では、STEP3までを紹介しています。最後のSTEP4に関しては『成長株投資とはなに?成長株投資徹底解説シリーズvol.1』で紹介していますので、再度目を通してみてください。

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このシリーズで紹介したSTEPを踏むと、投資で資産形成できるようになると思います。
ぜひ、何度も読んで試行錯誤しながら実践してみてください。

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この記事の著者

金融専門のライターとして活動中です。FP2級の資格を持っており、株式投資についての記事執筆を得意としています。2018年から株式投資をはじめ投資関連の本を100冊以上、金融関連書籍を合わせると150冊以上読んできました。国内成長株に焦点を当てた投資戦略で、投資3年目以降は継続して利益を出しています。専門的で複雑な金融トピックでも、論理的でわかりやすい解説を心がけています。