本記事では、iDeCoの仕組みや活用方法をわかりやすく解説し、そのメリットや注意点を詳しく紹介します。
iDeCoとは
iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」の略称で、自身の判断のもと資金を積み立て、運用する制度です。公的年金に加えて、iDeCoを利用することで、老後の資産形成のひとつとして位置づけられています。一定の条件を満たしていれば20歳以上60歳未満の方が加入可能で、掛金は原則として60歳まで支払うことができます。一方、原則60歳になるまで受給できないことを考慮したうえで投資計画を検討する必要があります。
※注:「国民年金の任意加入被保険者」加入区分の「加入対象となる方」には下記が該当いたします。
①「60歳以上65歳未満で国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない方」
②「20歳以上65歳未満の海外居住者で国民年金の保険料納付済期間が480月に達していない方」
参照元:厚生労働省サイト「iDeCoの概要」より
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html)
この制度の特徴は、運用結果に応じて将来受け取る年金額が変わることです。掛け金に対してどの商品にいくら配分して運用していくかを自分自身で決める必要があります。
企業型確定拠出年金との違い
企業型確定拠出年金は、企業が従業員のために掛金を拠出し、その資金を運用する制度です。一方、iDeCoは自身で掛金を積み立て、運用に関わる手数料を個人負担するという点で企業型確定拠出年金と異なります。企業型では企業が掛金を負担するため、運用に関わる手数料、加入手続き等の負担が少ないというメリットがありますが、iDeCoは加入者が金融機関にて加入手続きを行う必要があります。
iDeCoの拠出限度額
参照元:国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」より
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/structure.html
掛金上限額は、加入者の職業や社会保険の状況によって異なります。例えば、企業年金に加入していない会社員の場合、掛金の上限は月額23,000円です。自営業者や国民年金第1号被保険者の場合は月額68,000円が上限となり、専業主婦(夫)の場合は月額23,000円が上限です。このように、掛金の上限額はそれぞれの状況に応じて異なるため、自身に合った積み立て計画を立てることが大切です。
iDeCoのメリット
iDeCoを利用する上で大きなメリットが3つあります。
掛金が全額所得控除される
掛金全額が所得控除の対象となるため、年収が高い人ほど節税効果が大きく、所得税の負担を減らすことができます。
運用益に税金がかからない
通常の金融商品に投資した場合、運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでは運用益が非課税になります。
受給する際に所得控除を受けられる
自身の選択により原則、60歳以降であれば、年金、一時金、年金+一時金と受け取り方を選択できます。「退職所得控除」や「公的年金等控除」が適用されるため、受け取る際にも節税効果が期待できます。特に一時金として受け取る場合、退職所得控除によって節税のメリットを得られます。
iDeCoのデメリット
この制度を利用する際には、以下の点に注意が必要です。
60歳になるまで引き落とすことができない
60歳になるまで資金を引き出せない点は大きなデメリットです。急な出費や経済的な変化に備えたい人にとっては、この制約が不便に感じるかもしれません。。
途中で解約することができない
原則として、iDecoでは途中で解約できない仕組みになっているため、、利用にあたっては長期的な運用戦略を立てる必要があります。
事前に知っておきたいiDeCoの注意点
加入時期によって受け取り開始年齢が異なる
原則として60歳から受け取れますが、iDeCoに加入する年齢によっては受け取り開始年齢が遅くなることがあります。たとえば、50歳を過ぎてから加入すると、受け取り開始が61歳や62歳にずれ込むことがあり、可能な限りだけ早めに加入することが推奨されます。掛金が給与天引きされていない場合、確定申告が必要
iDeCoの掛金は企業型年金とは異なり、給与から自動的に天引きされないことがあります。この場合、掛金を自身で支払った後、確定申告で所得控除を申請する必要があります。特に会社員や公務員は年末調整だけでは処理できない場合があるため、確定申告を忘れずに行いましょう。
まとめ
投資初心者にとって節税と資産形成を同時に実現できる有力な制度として設計されたiDeCoですが、その仕組みやリスクを十分に理解した上で、長期的な視点で資産形成を始めることが大切です。
表面的には複雑な制度に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、より有利な資産形成を行うために重要なものとなるため、これを機に初めてみることをぜひご検討ください。