本記事では、12種類の投資手法について詳しく解説いたします。資産形成にあたっては様々なアプローチがあり、それぞれ必要となる資金量やリスクリターンが異なります。これから投資を始めようと考えている方や、新しい投資方法を模索している方を対象にわかりやすく紹介いたします。
投資の種類一覧12選を紹介
本記事では株式投資や投資信託、暗号資産、不動産投資といった比較的ポピュラーなものから、先物取引や変額保険といった一般的にはあまり耳馴染みのないものまで、計12種類を紹介します。各投資の特性を理解し、組み合わせながら自身にとって最適な投資手法を確立しましょう。
株式投資
株式投資は、企業の株式を購入し、その成長に伴う利益を狙う方法です。株価が上がれば売却益を得られますが、企業業績や経済状況が悪化すると株価が下落し、投資資産を毀損するリスクもあります。日々の情報収集を通じて、個別企業の分析やマクロ経済、株式市場等の動向を理解することが重要です。また長期的には企業の収益から配当として利益を受け取ったり、株式優待を通じた利益供与を受けられる可能性もあります。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドマネージャー(運用のプロ)が分散投資する金融商品です。少額から始めることが可能で、多様な資産に投資できるため投資初心者に適しています。また株式や債券、REIT(不動産の投資信託)などを組み合わせて運用されるケースが多くみられます。
外貨預金
外貨預金は、円を外国通貨に換えて預金し為替差益と預金利息を狙う手法です。為替レートの変動によって利益を得ることができますが、為替変動の方向によっては投資資産を毀損する可能性もあります。利息は一般的には円預金より高く設定されているケースが多くみられます。
先物取引
先物取引は、将来の特定の期日に商品や金融資産をあらかじめ決定された価格で売買する投資手法です。主にコモディティ(商品)や株価指数、金利などが取引対象となります。レバレッジ取引(証拠金を担保にして保有資産よりも大きな金額で取引する手法)を利用して少額の資金で多額のトレーディングが可能な一方、損失時の毀損金額も大きくなるため、慎重な意思決定が求められます。
暗号資産
暗号資産とは、ビットコインやイーサリアムなど、ブロックチェーン技術を基盤とするデジタル通貨です。価格変動が大きく、短期間での利益が期待できる一方、リスクも非常に高いです。市場が未成熟なため、規制や技術の変化による価格の大幅な変動が生じることがあります。
国債
国債は、政府が発行する債券で、日本政府にお金を貸し、その利息を受け取る投資手法です。特に日本国債は安全性が高いとされています。比較的長期的な安定収益を求める投資家に適しており、分散投資の一部としても利用されます。
変額保険
変額保険は、保険機能と投資機能を併せ持つ商品です。保険料の一部を株式や債券で運用し、その運用成績に応じて将来の受取額が変動します。死亡保障を維持しつつ、運用によるリターンを期待できる一方、元本割れのリスクも伴います。運用成績によっては、受け取る保険金が減少する可能性があります。
社債
社債とは、企業が発行する債券で、一定の利息を受け取れるため、安定した収益が期待できる一方、発行企業の信用リスクが存在します。発行企業が倒産すると、元本が返済されないリスクがあるため、信用力を見極めながら投資することが重要です。
金・銀・プラチナ
金や銀、プラチナといった貴金属は、インフレ(物価上昇)や経済不安に対するリスク回避手段として用いられます。特に金は「長期保有資産」として評価が高く、歴史的にも価値が下がりにくいことが特徴です。物理的な現物を保有する方法や、ETF(市場によって価格が変動する上場投資信託)を通じて投資する方法があります。
FX(外国為替証拠金取引)
FXとは、通貨の交換レート変動を利用して差益を狙う投資手法です。レバレッジ取引(証拠金を担保にして保有資産よりも大きな金額で取引する手法)の利用も可能です。24時間取引可能で、リアルタイムで市場動向をウォッチしながら短期的な収益を目指してトレーディングを行うことが一般的です。
ETF(上場投資信託)
ETFとは、株式市場に上場している投資信託で、株式や債券などの指数に連動する商品です。少額から投資でき、簡単に分散投資ができるため、初心者にも適しています。株式のように市場で売買できるため、流動性が高く、投資先を柔軟に選択できます。
不動産投資
不動産投資とは、物件を購入し、賃貸収入や売却益を得る投資方法です。長期的な安定収益を期待でき、インフレ対策にもなりますが、物件の管理や市場動向に左右されるリスクがあります。初期投資額が大きく、ローンを利用する場合は金利変動にも注意が必要です。地域や物件の選定が重要な因子となります。
投資制度の種類一覧を紹介
投資を始める際には、税制優遇を受けられる制度を理解しておくことが重要です。こうした制度は、効率的に資産を増やすために設計されております。代表的な制度には、iDeCo(個人型確定拠出年金)や、2024年より制度が新しくなったNISA(少額投資非課税制度)があります。
iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成を目的とした年金制度で、毎月の掛金を運用して60歳以降に受け取ることができます※。この制度の最大のメリットは、掛金、運用益、給付を受け取る際に税制上の優遇措置が受けられる点です。これにより、税負担を軽減しつつ資産を増やすことができます。運用対象は投資信託や定期預金、保険など多岐にわたりますが、原則として60歳まで引き出せないため、長期的な視点で計画を立てる必要があります。
※(注)一定の条件があります。
NISA
NISA(少額投資非課税制度)は、2024年1月からNISAに関して新制度が導入されました。新制度の最大の特徴は投資枠がつみたて投資枠と成長投資枠二つに分かれています。
つみたて投資枠は、長期的な資産形成を目的とし、少額かつ定期的に一定額投資し、リスクを抑えながらコツコツと資産を増やしたい方に向いています。一部、投資対象に制限があり、金融庁の基準を満たした投資信託に限定されています。
一方で、成長投資枠は、より大きなリターンを目指す投資家に向けた枠です。高成長が期待できる企業の株式や投資信託に投資することができます。
年間の投資上限額が設定されていますが、非課税期間が無期限となり、長期的な資産運用を希望する人にとって有利な制度です。NISAの新制度は、初心者から経験者まで幅広く利用できる柔軟な制度です。
初心者におすすめな投資の特徴
投資初心者には、リスクを抑えつつ、少額から始められる手法が適しています。大きな損失を避けながら、投資に慣れることが重要ですが、分散投資ができる商品や、プロに運用を任せられる手法を選ぶことで、安定したリターンを期待しつつリスクを分散させることができます。
少額から始めることができる投資手法
少額から始められる投資手法としては、投資信託やロボアドバイザーが代表的です。投資信託は、複数の銘柄に分散投資でき、運用のプロが管理するため、初心者でも安心して利用できます。ロボアドバイザーは、アルゴリズムに基づいて自動的に資産運用を行うサービスです。
リスクが少ない投資手法
リスクが少ない投資手法には、国債や定期預金、債券型の投資信託があります。国債は、政府が発行するため信用度が高い点が特徴です。また、定期預金は銀行に預けることで一定の利息を得られる運用手法ですがリスクが非常に低いといえます。債券型の投資信託は、複数の債券に分散投資することでリスクを抑えた運用が可能です。
初心者が投資を始める際の注意点
投資を始める前に、慎重な準備と計画が必要です。初心者が失敗を避けるために注意すべきポイントを以下にまとめました。
余剰資金かつ少額から投資を始める
投資を始める際は、生活費や緊急時の資金を確保した上で、余剰資金を用いることが基本です。また、初めは少額からスタートし、投資の仕組みや市場の動きを理解しながら徐々に投資額を増やすことで、リスクを抑えつつ経験を積むことができます。
分散投資を行いリスクを軽減させる
投資の基本戦略として「分散投資」があります。特定の銘柄や資産に集中して投資するのではなく、異なる種類の資産に分散することで、リスクを軽減することができます。例えば、株式、債券、不動産、コモディティ(商品)など、複数の資産に投資することで、一部の資産が下落しても、他の資産で損失を補うことができます。
まとめ
本記事では、12種類の投資手法を詳しく紹介しました。また、iDeCoやNISAなどの投資制度も解説し、初心者に適した少額から始められる手法やリスクが少ない投資も紹介しています。投資を選ぶ際は、投資目的、資金状況、ライフスタイルに合わせた手法を選び、無理のない範囲でリスクを分散しながら運用することが大切です。