少額投資は、投資初心者や資金に余裕がない方でも気軽に始められるアプローチです。本記事では、少額投資の基本から、そのメリットやデメリット、初心者向けの投資商品や利用できる制度について詳しく解説します。投資に興味があるけれど大きなリスクは避けたい方や、少額から投資を行いスマートに資産形成を目指したい方に、役立つ情報をお届けします。
少額投資とは
投資額の損失が限定的で、心理的負担も少ない手法です。過度なリスクを取りすぎずに投資の基本を学びながら、経験を積むことができます。
少額投資のメリット
気軽にスタートできる
数千円からでも投資が可能なため、初心者でも資産運用が身近なものとなり、投資の第一歩を踏み出しやすくなります。少額投資は投資の実体験を繰り返しながら学ぶことができるため、投資の基礎を固めるのにも最適です。
税務的に優遇される
税制上のメリットもあります。例えば、新しいNISAのつみたて投資枠やiDeCoなどの毎月一定額積み立てられる仕組みを活用することで、投資収益が非課税となり税負担を軽減できます。そのため、少額の投資でも効率的に資産を増やすことに繋がります。
損失を最小限に抑えられる
仮に成果が芳しくなかった際も損失を最小限に抑えることが可能です。そのため、投資初心者でもリスクを過度に意識せずにさまざまな投資方法にチャレンジできるようになります。
様々な金融商品や手法にチャレンジしやすい
複数の金融商品や投資手法を試すのに最適です。少額ずつ異なる商品に投資することで、リスク分散を行いつつ、各商品の特性や市場の動きを学ぶことができます。また、実際に投資経験を積みながら、自身に合った投資スタイルを確立することができ、将来的に大きな投資に備えるスキルも身につけられます。
分散投資ができる
複数の株式や投資信託といった金融商品に少額ずつ投資することで、特定の金融商品で損失が発生したとしても、毀損した収益を他の金融商品でリカバリーすることに繋げることが可能です。
投資スキルの研鑽に活用できる
実際の投資経験は経済や金融に関する知識とスキルの研鑽に繋がります。経済や市況を通じて自身の投資判断の評価をリアルタイムで行うことが可能です。少額投資であれば、こうしたスキル研鑽において損失が発生しても比較的ストレスなく行うことができます。
少額投資のデメリット
運用益が限定的
最大のデメリットは、得られる利益が限定的であることです。たとえば、投資信託や株式で年間5%のリターンを得たとしても、1万円の投資では年間の利益はわずか500円となります。このように、収益目的の投資家には物足りなさを感じるかもしれません。
投資できる商品に制約がある
「投資できる商品が少ない」という認識は、近年の投資環境の変化により、必ずしも当てはまらなくなってきています。一方で、一部の投資信託においては最低購入金額が高い場合や購入手数料の負担が相対的に高く感じられる場合もあります。また債券は一般的に最低購入金額が高く設定されていることが多いため、個人が小額で購入するのは難しい場合があります。
少額から投資できる初心者向けの商材とは
少額の資金でかつ投資経験が少ない方でも安心して取り組める金融商品として、投資信託やポイント投資、ロボアドバイザー、株式累積投資(るいとう)、単元未満株などが挙げられます。
投資信託(投信)・投信積立
不特定多数の投資家から集めた資金をファンドマネージャー(運用のプロ)が分散投資することでリスクを抑えられます。さらに定額購入することができ、価格変動の影響を平均化するドルコスト平均法が利用できます。長期的な資産形成を目指す方にとって、安定的な運用が期待できる手法といえます。
ポイント投資
クレジットカードや電子マネーで貯めたポイントを使って行う投資手法です。現金を使わずに貯まったポイントを活用するため、初心者でも気軽に投資を始められます。仮に投資の損失によってポイントを失っても精神的なダメージは小さく、投資経験を積むための第一歩として非常に魅力的です。また、ポイント投資を通じて市場の動向を学びながら、徐々に現金での投資に移行することも可能です。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AIやアルゴリズムを活用して自動的に資産を運用してくれるサービスです。投資の知識がなくても、ロボアドバイザーが利用者のリスク許容度や目標に基づいて最適なポートフォリオを作成し、運用を行います。少額から始められることが多く、定期的なリバランスも自動で行ってくれるため、手間がかからず、安定した投資を行うことができます。また、複雑な市場分析や運用方針の決定も自動化されているため、初心者でも安心して利用できるサービスです。
株式累積投資(るいとう)
株式累積投資(るいとう)は、少額で株式を一定額購入し、定期的に積み立てる投資手法です。初心者でも手軽に株式投資を行うことができます。また、株価の変動に応じて購入するため、一時的な株価の高低に左右されずバランスよく投資ができ、リスクを分散させる効果があります。
単元未満株
単元未満株は、通常の株式購入に必要な単元株数よりも少ない株数で購入できる株式のことです。少額で個別株に投資できるため、特定の企業に対する投資を気軽に始めることができます。これにより、手元資金が少なくても株主としての権利を持つことができ、株式数に応じて配当金や株主優待を受け取ることも可能です。初心者にとっては、好きな企業に少額から投資できるため、投資に対するモチベーションを高める手段としても有効です。
少額投資で活用できる制度
効率的に少額投資を進めるにあたって、税制優遇措置は有効な手段となるでしょう。日本には、少額投資を支援するための税制優遇制度がいくつかありますが、その代表的なものがNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
少額投資非課税制度(NISA)
個人が一定額までの投資で得た利益を非課税にする制度です。2024年1月から新たな制度改正が行われたNISAは、従来のNISAより投資枠が拡充され、より多くの金融商品の運用益(売却益、配当・分配金)が非課税で運用できるようになりました。税負担を大幅に軽減しながら、効率的に資産を増やすことができます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
老後資金を積み立てるための制度で、掛金を拠出し、その運用結果によって将来の年金額が決まる仕組みです。掛金は全額が所得控除の対象となり、運用益も非課税です。また、受取時にも税制優遇があります。少額からでも毎月積み立てることができ、長期運用することで資産形成を進めることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少額投資は、投資初心者や資産運用に慣れていない方にとって有益な手段といえます。少額からスタートできるため、リスクを抑えつつ、実際に投資を体験することで知識やスキルを身につけることができます。また、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用することで、効率的な資産形成を目指すことが可能です。
収益性の点では物足りなさを感じる場合もあるかもしれませんが、将来に不安があり何か具体的なチャレンジをしたい方や経済をより実践的に学びたい方に向けても第一歩として重要なアプローチと言えるでしょう。