【2025年最新】インカム投資とは?初心者でも安定収益を狙える始め方と注意点を徹底解説

「毎日株価をチェックするのに疲れた」「安定した投資成果を得たい」そんな悩みを抱える投資初心者の方は多いことでしょう。株価の値動きに振り回されることなく、定期的な利益を狙える「インカム投資」という手法があります。本記事では、高配当株やREITを活用したインカム投資の始め方から注意点まで、分かりやすく徹底解説します。

目次

投資初心者が抱える収益の不安

投資に関心はあるものの、「収益が安定しないのでは」との不安から、なかなか第一歩を踏み出せずにいる初心者の方も少なくありません。また、すでに投資を始めている方のなかでも、日々の株価変動に不安を感じる人は多く、特に投資を始めたばかりの時期には、その心理的負担は想像以上に大きくなりがちです。朝起きて株価を確認し、仕事中も何度もチェックしてしまう――。そんな状態が続くと、当初の資産形成というゴールを見失い、短期的な値動きに一喜一憂して感情的な売買を繰り返してしまうケースも見られます。

2024年には、NISA(少額投資非課税制度)が改正され、長期投資の重要性が一層高まりました。同時に、日銀による金融政策の正常化も進みつつあります。こうした不透明な経済環境のなかで、株価の値動きに過度に振り回されずに安定した収益をめざせる「インカム投資」に注目が集まっています。

インカム投資の基本知識

ここからは「インカム投資」について、その基本的な仕組みから対象資産、そして注目される理由まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

インカム投資とは何か?

インカム投資とは、株式や債券等の資産を保有中に得られる収益(具体的には、株式では配当金が、債券では利子が、不動産では賃料収入がこれに相当し、インカムゲインと呼ばれます)に着目した投資手法です。

インカム投資は、資産の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うキャピタル投資とは明確に異なります。キャピタル投資が「安く買って高く売る」ことで利益を得るのに対し、インカム投資は売却を前提とせず、資産を保有し続けることで定期的な収益(インカムゲイン)を受け取ることを目的とします。そのため、市場の短期的な変動に左右されにくく、比較的安定した現金収入を得られるのが特徴です。

インカム投資の主要な対象資産

この投資スタイルの対象となる主な資産は主に3種類存在します。

ローリスク順に挙げると、ひとつ目は債券になります。債券とは、国や企業などが資金を調達するために発行する借用証書のようなもので、投資家は債券を購入することで満期まで一定の利息を受け取ることができます。元本についても、債務不履行にならない限り償還日には額面で返還されます。国債や社債などの債券は、この利息収入が主なインカム源となります。

次に不動産投資信託(REIT)です。REITとは、多くの投資家から集めた資金をもとにオフィスビルや商業施設、住宅などの不動産に投資し、そこから得られる賃料収入や売却益を原資として分配金を支払う金融商品です。
また、高配当株も選択肢のひとつになります。配当金とは、企業が事業活動で得た利益の一部を株主に還元する仕組みで、株券を所有することで定期的な配当金を受け取ることができます。株価に対する年間配当金の割合を示す指標を配当利回りといい、東証プライム市場平均は2.5%程ともいわれています。業績次第ではありますが、この配当利回りが3%を超える銘柄が一般的に高配当株と呼ばれます。ですが、高すぎる利回りには一時的なものである可能性や、減配リスクが潜んでいる可能性もあるため、注意が必要なことも覚えておきましょう。

その他、投資信託では収益分配金が得られ、インフラファンドでは分配金が主な収益源となります。これらの多様な資産クラスを組み合わせることで、効果的なインカム投資が可能になります。

なぜインカム投資が注目されるのか

インカム投資が注目を集めている背景には、いくつかの経済的・社会的な要因があります。まずひとつは、従来の長期にわたる低金利環境です。日本では、日銀が2016年から2024年まで続けてきたマイナス金利政策の影響で、普通預金金利は年0.001%程度という超低水準が続いてきました。こうした状況下では、預金や国債だけでは資産を十分に増やすことが難しく、より高い利回りを求めて「配当金」や「利息収入」といったインカムゲインに関心が集まるようになっています。

また、この投資スタイルは長期投資戦略との相性が良いという特長もあります。定期的に収益を得ることを目的とするため、値動きに過度に反応する必要がなく、比較的ローリスク・ローリターンでの運用が可能です。そのため、投資に多くの時間をかけられない人や、市場の激しい変動に不慣れな初心者にも適したアプローチといえるでしょう。

さらに、老後資金やセミリタイア後の生活費の一部を補う手段としても注目されています。実際に、退職後の年金収入に加えて毎月一定額の配当や利息を確保することで、生活の安心感を高める設計を目指す人も増えてきています。
このように、インカム投資は資産の成長だけでなく、安定的なキャッシュフローを確保したいという投資家のニーズに応える手法として、その存在感を高めているのです。

インカム投資の具体的な考え方

これまでインカム投資の基本について解説してきました。ここからは、実際に始める際の具体的な考え方を3つのポイントに分けて解説します。

【POINT 1】投資目的と資金計画の設定

投資を始める前にまずは、投資目的を明確にすることが重要です。「なぜインカム投資を行うのか」を明確にすることで、資産配分や銘柄選定といった投資戦略も適切に立てることができます。

たとえば、生活費の一部を補うことや、老後に備えた収入源を確保することなどが主な運用方針として挙げられます。その際、「毎月3万円の補填」「退職後に月10万円の安定収入を確保する」といった具体的な金額目標を設定することで、必要な投資額や資産配分の見通しが立てやすくなります。

投資資金は、あくまで生活に支障のない余剰資金から始めるのが基本です。インカム投資は長期投資が前提となるため、最低でも5年以上は使用予定のない資金で運用するとよいでしょう。また、最初は少額の投資からスタートし、投資に慣れるにつれて段階的に金額を増やすという資金計画も現実的な方法と言えるでしょう。

【POINT 2】投資対象の選定方法

投資対象を決める際には、安定性と収益性のバランスを考慮しましょう。一般には、債券、REIT、高配当株などが主な選択肢となりますが、それぞれに特徴とリスクがあります。重要なのは、投資目的や自身のライフスタイル、許容できるリスクの大きさに応じて、自分に合った投資対象資産を選ぶことです。たとえば、ブレの少ない収入を求めるなら利回りだけでなく、利益の継続性や価格の安定性にも注目すべきです。一時的に利回りが高く見えても、企業業績の変動や不動産市場の動向などに左右されて収益が不安定になるケースもあります。

また、「ひとつの投資対象に絞る」のではなく、複数の資産クラスに分散投資することで、リスクを抑えながら安定的な収入を得やすくなります。キャピタルゲインを狙う投資と同様に、インカム投資でも「分散」は非常に重要な考え方です。

【POINT 3】インカム収益の受け取りと再投資戦略

得られた収益の活用方法も重要な戦略です。大きく分けて、現金として受け取る方法と、再投資に回す方法があります。たとえば、生活費の補填が主な狙いであれば、収益を現金として受け取ることが理にかなっています。一方、資産の成長を目指す場合は、得られた利益を再投資に回すことで、複利効果を活かした効率的な資産形成が可能になります。

ただし、株式やREITなどの配当金・分配金は、基本的に自動で再投資される仕組みにはなっていません。再投資を行う場合は、受け取った資金で自分で銘柄を選び直して購入する必要があります。

最適なインカム投資対象の選択

前章では、投資を実際に行う際の具体的な考え方について解説しました。この章では、前章で触れた投資対象の選定について、より詳細に見ていきましょう。

主要投資対象の利回り比較

インカム投資を検討する際、まず把握しておきたいのが各投資対象の利回り水準です。それぞれの特徴を理解することで、自分の投資目的に合った選択ができるようになります。

債券は、利回りは相対的に低めですが、価格変動リスクが小さく、安定性を重視する投資家に向いている資産です。国債や高格付けの社債などは元本の安全性が比較的高く、定期的な利息収入を得ることができます。

REITは、不動産から得られる賃料収入などを原資として分配金が支払われる金融商品です。4~5%程度の分配金利回りが期待できる点が魅力で、安定的な収益を求める投資家にとって有力な選択肢です。実際、過去10年間のJ-REIT(日本のREIT)の平均予想分配金利回りは、おおむね3.02%〜6.17%の範囲で推移しています。ただし、不動産市況や金利の変動によって価格が影響を受けやすいという点はリスクとして押さえておく必要があります。

高配当株は、配当利回りが3%以上の銘柄が選定の目安とされます。中には、日本株や米国株で5%を超える利回りを提供している企業も存在します。企業が持続的に利益を上げ、それを株主に還元していることが前提ですが、業績悪化などによる株価の下落や減配リスクがある点には注意が必要です。

リスクの分析

インカム投資は、値動きの大きい成長株投資などに比べればリスクが低いとされますが、それでも元本割れや収益の減少といったリスクは避けられません。では、安定したリターンを目指すためには何に注目すればよいのでしょうか。

債券は比較的リスクが低く、元本の安全性が高いとされていますが、それでも信用リスクや金利変動リスクは無視できません。発行体の信用度を把握するためには、格付会社(S&P、ムーディーズなど)の信用格付を見るのが一般的です。格付が低い債券は高い利回りが期待できる反面、デフォルト(債務不履行)リスクも高まります。

次にREITですが、分配金の安定性を判断するには、FFO(Funds From Operations)という指標が参考になります。これは、営業活動から生み出される現金収入に近いもので、REITがどれだけ安定的に収益を生み出しているかを測るのに役立ちます。また、物件の稼働率や平均賃料の推移、借入金の比率(LTV)なども注目するべき指標です。

そして、高配当株で気をつけたいのが、企業業績の悪化による減配や無配のリスクです。配当金は企業の利益から支払われるため、利益が減れば当然、配当も維持できません。そのため、投資判断の際は、単に配当利回りの高さだけを見るのではなく、自己資本比率や営業利益率といった財務指標も確認し、企業の健全性をしっかり把握することが大切です。

自分に合った投資スタイルを見つけよう

インカム投資では、投資家の経験やリスク許容度に応じて、選ぶべき資産やスタイルが変わってきます。たとえば、投資初心者であれば、まずは債券を中心とした安定運用から始めるのが現実的です。債券は、満期まで保有すれば元本が返還される仕組みのため、比較的リスクが低いとされています。ある程度の投資経験がある中級者には、個別株を活用した高配当投資が選択肢となりますし、さらに上級者であれば、高配当株、REIT、債券などを組み合わせた複合的なポートフォリオを構築することで、リスク分散と収益性のバランスを追求することも可能です。

このように、自分自身の投資目的やリスクの取り方に応じて、最適な投資スタイルを見つけることが、長期的な資産形成を成功させるカギとなります。

まとめ

インカム投資は株価変動に一喜一憂することなく、配当金や分配金といった保有資産から定期的に得られる収益に着目する投資手法です。株式、REIT、債券など自身に合った投資対象を選択することで長期的な資産形成に臨むことができます。株価の上下に振り回される日々から一歩抜け出し、着実な資産形成を始めてみませんか。

※投資は、お客様自身の判断と責任において行ってください。

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この記事の著者

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